東京高等裁判所 昭和54年(行ソ)6号 判決
一 本件判決が再審原告主張のとおり言渡され、確定したことは、当事者間に争いがない。以下、再審事由について順次判断する。
二 民事訴訟法第四二〇条第一項第五号及び第六号該当の再審事由について
右第五号該当事由及び第六号該当事由による再審の訴は、罰すべき行為について有罪の判決もしくは過料の裁判が確定したとき、又は証拠欠缺以外の理由により、有罪の確定判決もしくは過料の確定裁判を得ることができなかつたときに限り、提起することができるものである(同条第二項)。本件においては、すべての主張立証及び弁論の全趣旨に徴しても、右有罪の確定判決その他の存在を窺うことができない。
三 同項第九号該当の再審事由について
再審の訴は、当事者が判決確定後、再審の事由を知つた日より三〇日内に提起しなければならない(同法第四二四条第一項)。ところで、右第九号に該当する再審事由が存するかどうかは、その事柄の性質上、再審原告が本件判決正本の送達を受けることにより知りうるところであるから、特段の事由の認められない本件においては、再審原告は、本件判決の正本送達当時、右再審事由を知りえたものというべきである。なお、再審原告が主張する事情は、右特段の事由に当るものとは、とうていいうことができない。しかして、その後に判決が確定した場合には、前記三〇日の期間は同判決確定の日から起算するのが相当である。本件においては、本件判決確定の日が昭和五四年七月二四日であり、本件再審の訴提起の日が昭和五四年一二月二〇日であることが明らかであるから、本訴は右期間経過後に提起された不適法なものである。
四 以上のとおり、本訴は、いずれの再審事由についても不適法であるから、却下すべきものである。